アメリカ文学

Cannery Row by John Steinbeck

Cannery Row by John Steinbeck

 ひとの、世界の、生きることの美の髄を抽出して濾した、澄んだ極上のスープのような作品。 弱く、優れておらず、素晴らしくない命の美しさ、かなしさ、痛み、喜び、儚さへの讃歌。  短い作品だけれども読み進むのが惜しく、ゆっくりと一文ずつ味わいながら読んだ。 眠い時に読むと取りこぼしそうで勿体なく、章の終わ…
The Lottery and Other Stories by Shirley Jackson

The Lottery and Other Stories by Shirley Jackson

 個人的な社会の中にゆらゆら立ち上る煤のような闇を捉えてぎゅっと凝縮したような話ばかり。肌触りと後味の悪さは一級品。 表題作が最も有名ではあるが、物語としての体裁が整っていて分かりやすいからかと思った。  毒の種類から云うと他の作品の方が個人的にはきついように感じられ、元気のなかった12月に'Lik…
We Have Always Lived in the Castle by Shirley Jackson

We Have Always Lived in the Castle by Shirley Jackson

シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』 読了。 ひ~不穏!不穏!最初から最後までずーっと不穏! ざらっとした悪意、陰鬱さ。閉塞した美と濁りなき憎悪。 読書で久々に本当に心臓がばくばくした。多分私、嫌悪の対象がメリキャットと似てるのでは…。 Pure, potent & poison…
Other Voices, Other Rooms by Truman Capote

Other Voices, Other Rooms by Truman Capote

この間、徹夜明けでフラフラしながらカポーティを持ってベッドに向かい、1頁目の1パラグラフだけ読んで「もうこれだけで完璧な作品じゃない?」って思って寝落ちしたんだけど、10時間寝てから「まさかそんな、寝不足で頭おかしかったのかも」ともう一回読み直してみたらやっぱり同じ感想だった。(08/04/2019…
The Grass Harp/A Tree of Night and Other Stories by Truman Capote

The Grass Harp/A Tree of Night and Other Stories by Truman Capote

『草の竪琴/夜の樹』トルーマン・カポーティ ちょっとサリンジャーに寄り道しましたが、現在はカポーティ読んでます。硬質で繊細で緻密でひんやりしている。(05/02/2019) サリンジャーとカポーティ、読み比べるつもりは全然なかったんだけど サリンジャー:年を重ねるごとに失われるイノセンス(無知の智)…
Capote (2005) 映画

Capote (2005)

Netflixで映画Capote観ました。文学作品だな…。 カポーティの嘘と人心を操る巧みさ、狡さと傲慢、それをぎりぎりで相殺する、弱さを含んだ魅力。 名誉欲も情も良心も侮蔑もすべてが同時に成立し得て、そのどの面を見ているのか分からなくなる。多分本人も。 彼を愛する人達は彼を内心少し責めながら、でも…