The Grass Harp/A Tree of Night and Other Stories by Truman Capote

『草の竪琴/夜の樹』トルーマン・カポーティ

ちょっとサリンジャーに寄り道しましたが、現在はカポーティ読んでます。
硬質で繊細で緻密でひんやりしている。(05/02/2019)


サリンジャーとカポーティ、読み比べるつもりは全然なかったんだけど

サリンジャー:年を重ねるごとに失われるイノセンス(無知の智)、日々小さく傷つき鈍化することへのやるせなさ

カポーティ:幼い頃から揺るがない確固たる孤高と高潔、それに伴う凍えるほどの孤独

という感じがする。

サリンジャーには、おとなの中に傷つき戸惑うこどもがいて、カポーティには、こどもの中に誇りのために戦うおとながいる。
そしてその両方を読者が分かり得るから文学というのは不思議ですね。(12/02/2019)

カポーティ『草の竪琴』『ミリアム』読了。 以前サリンジャーとの対比のために「カポーティにはこどもの中に誇りのために戦うおとながいる」と書いて、書きながらも語弊があるなあとは思っていたのだけど 「年齢に関わらない個人としてのWholenessへの侵害に対する戦い」 とするのが正しい気がする。

ところでカポーティではA Diamond Guitarという短編がものすごく好きなのですが、トム・フォード監督の「シングルマン」を髣髴とさせるものがあります。 ニコラス・ホルトがきらきらしながら現れる、あれ。(24/02/2019)

読了。はー、天才…。 「個人としてのWholenessへの侵害に対する戦い」と前に書いたけれど、やっぱり私が読み取るのはそれだなあ。 ‘Master Misery’で「夢」という自分しか持ち得ないものを売り渡し、魂を失っていく過程。(12/03/2019)

‘A knot of pain was set like a malignant jewel in the core his head; ‘
『痛みの塊が悪意を凝らせた宝石のように頭の中心に埋め込まれていた』(The Headless Hawk)

Malignant jewel!
ここまで美しく頭痛を表現した言葉って他にあるだろうか?と衝撃を受けてしまった。
真っ黒で邪悪な闇の宝石…。
毒の宝石としてもいいかも知れない。
日本語訳はどうなっているんだろう。(12/03/2019)

Collin, what do you think: is it that after all the world is a bad place? Last night I saw it so differently.
‘The Grass Harp’ Truman Capote (15/03/2019)

(11/11/2020 過去のツイートから転載)

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