本 1 Sep 2019 皆川博子『U 』 読了。運命に歪められ人智を超えた域にまで引き伸ばされた二つの命は時代を超え戦争を生き抜きながら、神、民族、文化、歴史が魂に刻む刻印の深さの不条理さを問い掛ける。二人が死と命を内包する時間そのもののような地底と海底で静かに繋がる時「生きる」という事の本質が垣間見える。 (11/11/2020 過去のツ… Read More
本 19 Aug 2019 皆川博子『少女外道』 読了。 戦争、歪んだ家族関係、鮮烈な性的原体験などにより生の迷路を彷徨い続ける人々が死と闇へと惹き付けられていく足取りを美しくほの昏い筆致で描く。閉鎖した少女性と生命との相容れなさ、狂気と死の緩やかで抗い難い吸引力。生は凄惨たる戦場であり死の幻影はしばしば美しい。 『有翼日輪』強烈な恋情に鷲掴みにさ… Read More
本 17 Mar 2019 皆川博子『倒立する塔の殺人』 読了。日本語で何かわーっと一気に読みたいなと思い、前から気になっていた皆川博子さんに初挑戦。 これは皆面白いって云う筈だ〜。面白い! 入れ子の複雑な構造に細かで緻密な設定。 文学美術音楽の素養があればもっと楽しめるんだろうな。全部分かって読める人羨ましい。 アンリ・バルビュスの『地獄』が引用されるん… Read More